朝から名古屋で現場打合せ。帰りに豊田市美術館へ。企画展は「石上純也−建築のあたらしい大きさ 」2010年9月18日[土] 〜 12月26日[日]








銀座の資生堂ギャラリーで開催中の「石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」2010年8月24日(火)〜10月17日(日)もギャラリー始まって以来の入場者だそう(建築系ラジオ:五十嵐太郎氏談)
こちらも駐車場は満杯。一体どうなっているんだ・・・・。こちらはミュージアム・フェスタ 2010ということで企画展、常設展の他にも「写生大会 美術館てどんなとこ?描いてみよう!」、美術館コンサート 「アートde素敵な出会い コンサート」「小坂本町一丁目映画祭in美術館」とかいろいろやっていた。先日の金沢21世紀美術館の話でもあったが、美術館が並んで鑑賞するだけの美術館から変わろうとしているの確かなようだ。コンサートを覗いてみた。スクリーンに映っているのはソフィ・カルの「盲目の人々」。この作品にまつわる話を担当の学芸員が紹介しているところ。非常に興味深かった。

「あなたにとって美とは何ですか?」
この問いを23人の生まれつき全盲の人にソフィ・カルが投げかけた。23人中22人は鮮明に自分の美しいと思うものを表現した。(写真は最初の人。彼が答えたのは視界の果てまで続く海。)
唯、最後の一人は全くの空白だった。彼は美というものを拒否した。
ソフィ・カルが学芸委員に漏らした言葉。
「実はこの中に一人だけ目の見える人がいたんです・・・・・」



こちらは土曜日にやっていたワークショップ「大きなクレヨンで絵を描こう」の様子。







ところで肝心の石上純也展だが、作品は今年の2010年ヴェネツィアビエンナーレ建築展で金獅子賞を受賞した作品と同一の《雨を建てる》。(オープニングの日に倒壊)2009年に日本建築学会賞を受賞した神奈川工科大学KAIT工房やカフェテリアをモチーフにした作品。只、建築というよりアートにしか見えない。ヴェネツィアでも今回も倒壊した作品について「建築が壊れても良いのか?」という議論もあったそうだが、建築でなければどっちでも良さそうな気もする。いずれにしろ、カワイイであろうと何であろうと建築がこれだけ注目されるということは喜ばしいこと。

豊田市美術館における「石上純也−建築のあたらしい大きさ」展で倒壊した作品、《雨を建てる》の修復が完成しました。 本作は、0.9mmのカーボンによる柱を52本の0.02mmの糸で引っ張り、それを54本建てることからなる作品で、非常に繊細な構造・素材で 成立しています。9月18日のオープニング当日の朝、設営終了後の片付け作業中に倒壊しました。本作は、現在開催中のヴェネツィアビエンナーレ建 築展で、構造・可視性のぎりぎりの臨界点を追求した作品であることが評価され、最高作品賞である金獅子賞を受賞した作品と同一のものですが、ヴェ ネツィアでも評価時点で崩壊していたことが、併せて大きな話題になりました。 これまで修復作業を公開してきましたが、オープン約2週間後の10月5日から、ようやく完成した姿でお見せできます。その間ご来場になった皆さま には、完成した形でおみせできず、誠に申し訳ありませんでした。またご来場者の皆さまには、極めて繊細な作品であるため、鑑賞の際にご配慮いただ きますようお願い申しあげます。

豊田市美術館のHPより引用







JA (ジェイエー) 2010年 10月号 [雑誌]

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夕陽のあたる豊田市美術館