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特集の一番目にロンドンの「テートモダン」


かつて青木淳氏は「青森県立美術館について」という講演の中で
「美術館として設計された建築が、必ずしも良い美術館とは限らない」と語っている。
想像だが、青木氏の頭の中にはこの「テートモダン」があったのではないだろうか。
「テートモダン」は火力発電所を美術館にリノベーションした美術館。
ヘルツォーク&ド・ムーロンが安藤忠雄などを破って2000年の5月12日にオープン。
今やロンドンの名所らしい。
青木氏の言う意味と多少違うかもしれないが、
リノベーションには独特の魅力がある。
新築の建物には、新しい運動靴を履いたときのような気恥ずかしさがある。
新築した時にいつも感じるのは、早く10年経って欲しいという思い。
古いものを再生するということは、その時間の経過の短縮を可能にしてくれる。
学生にはいつも言うことだが、「時間の経過を待っているような仕上げ」が好き。
リノベーションには、10年待つようなイライラを解消してくれる魅力がある。