前回のチバウ文化センターの際に書き忘れていたが、レンゾ・ピアノがビデオの中で語っていた言葉が興味深い。

自然の真似などしてはいけません。試したところで勝敗は明らかです。自然に太刀打ちなど出来ません。我々が出来ることは自然が成してきた過程をもっと敬虔な方法で行うことです。そうすれば自然が築き上げてきたものに近づけます。
ある意味で建築家として自然と競い合わなくてはなりません。それは二次的自然の創作という勝負のことです。
(中略)
我々がどれほど原住民の方々に近づけたかはわかりません。我々に罪がなくともヨーロッパ人が過去に行った政策のために我々も入植者とみなされるのです。相互理解は主観の回避によって得られます。だからこうして互いの文化間のつながりを想像出来たのです。
我々の仕事は彼らのルーツを残し現代性とのバランスを保つことでした。建築は必然的に土着なものです。地理的理由や気候条件、歴史的背景、文化的根拠などからその土地に根付いていて、同時にとても普遍的でもあります。
保護されている感覚は住宅から。芸術作品の前で熟考する楽しみは美術館から。そして神との沈黙の関係は教会から生じているのです。
それらは全て普遍的で私にも生じているのです。


Renzo Piano: Architekturen DES Lebens

Renzo Piano: Architekturen DES Lebens