今日読んだ本。

透ける (西沢文隆の仕事)

透ける (西沢文隆の仕事)

日本建築のあり方のようなものを判りやすく書いてあるが、ところどころに磯崎新さんの言う「突き刺さるような批評」がちりばめてある。

南部の曲り家に最初に出会った時の感激を忘れることができない。南面の真壁構造のほとんど建具ばかりでL字形になった写真の出ていることが多いが、学者というものは、実に困った人種である。
本当に美しいのは北側で、窓はほとんどなく、荒壁の大壁がL字なりに塗り回されている姿は、まさに圧巻である。暖かく柔らかく身も心も包み込まれる思いがする。