先週、急に思い立って行った円通寺。土曜日だったが朝早めということもあり人もまばら。
内部の写真撮影許可は借景の庭のみ。



台風12号の爪痕

円通寺(えんつうじ)は京都市左京区岩倉幡枝町にある臨済宗妙心寺派の仏教寺院。山号は大悲山。聖観音を本尊とする。後述する円通寺庭園(国の名勝)で知られる。
元は後水尾天皇の山荘であった幡枝御殿であり、後述する枯山水庭園もその頃に造営されたものである。修学院離宮の造営に伴い、幡枝山荘は近衛家に譲渡された。後の延宝6年(1678年)、霊元天皇の乳母であった円光院文英尼が開基となって寺に改め、皇室の祈願所となった。妙心寺10世の景川宗隆を勧請開山としている。
枯山水式の庭園で国の名勝に指定されている。苔を主体に刈込みと石を配し、大小40余りの庭石は上皇となった後水尾天皇が自ら配したといわれる。また、刈込みと立木の背後に望む比叡山を借景としており、上皇は最も比叡山の眺望に優れた地を求めて、この幡枝に山荘を設けたといわれている。とりわけ、この円通寺庭園は借景の美しさで名高い。そのため、高層マンション建築など急速に進む都市開発は、貴重な借景を壊してしまう懸念材料になると危惧されていた。そのため、京都市円通寺庭園など借景を保護するための眺望条例(正式名称は京都市眺望景観創生条例)を制定するようになった。円通寺は同条例の対象地となり、周辺区域では高さだけでなく、屋根の形式なども制限される。

後水尾天皇―千年の坂も踏みわけて (ミネルヴァ日本評伝選)

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