KENCHIKUに紹介されていたダニエル・リベスキンドデンバー美術館増築。

以下引用。
ダニエル・リベスキンドは、ベルリンの「ユダヤ博物館」コンペに勝って以降、
それまでのアンビルト状態におさらばして、「フェリックス・ヌスバウム美術館」(独)、
帝国戦争博物館」(英)を完成。そして2003年に話題の「グラウンド・ゼロ」のコンペに優勝し、
その存在を示した。これ以後、リベスキンドは破竹の勢いで世界各地へと進攻する。
その大きなプロジェクトのひとつが「デンバー美術館」増築であった。


デンバー美術館の増築棟は、その性格と形態で、多くの大衆をこのミュージアム・コンプレックスに
引き寄せる強烈なイコンと言えそうだ。新棟はジオ・ポンティ設計の既存棟のみならず、
公共図書館や市民センター全体の機能と美学に準じて計画された。
建物は孤立した一個の建築として設計されたものではなく、デンバー市の発展するエリアにある
パブリック・スペース、モニュメント、ゲートウェイというコンポジションの一部として考えられており、
近隣街区におけるシナジー効果に大きく寄与している。


ポンティ設計の既存棟は、城のように堅固な矩形のマッスの集合体なのに対し、
リベスキンドの新棟は爆発した鋭角的なフォルムの断片が拡散するようなイメージだ。
広さ13,500?の新棟は、幾何学的で鋭角的な長いキャンティレバーが、道路を越えて既存棟方向へ伸びている。
そのシャープな迫力は圧倒的だ。


建物とプラザの材料は、既存のコンテクストであるローカル・ストーンに近いものと、
イノベイティブな新しい材料であるチタニウムをも使用し、ともにローカルなデンバー
の伝統を21世紀に橋渡しする空間を形成している。


現代美術は余りに豊饒で、余りに予知不可能のため、ミュージアムの使命のひとつは、
新しいアートのための啓発的かつ生産的な空間をつくることであるという。この類いの空間は、
白黒のボックス・ギャラリーから、親しみやすい夢や巨大なインスタレーションを誘発するラジカルな
スペースまでいろいろある。この美術館の現代的な性格は、アーティストに彼らのもっとも
前衛的は夢を実現させる新しい機会を提供することによって、アートの不確定で驚愕的で挑戦的な
地平に対応することが目論まれた。


以上、引用。


Daniel Libeskind: Jewish Museum Berlin (Architecture S.)

Daniel Libeskind: Jewish Museum Berlin (Architecture S.)



Daniel Libeskind

Daniel Libeskind


美術館の目的は人を集めること。
F・ゲーリービルバオもその納まりの悪さを批判する人もいるが、少々の建築的欠陥があっても、
それに勝る、人をひきつける何かがあればそれはそれで良いのではないかと思う。
ここでも、ビルバオのグッゲンハイムと同様に外壁はチタン。


写真はWikiより引用