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- 作者: 五十嵐太郎
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 単行本
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建築家としての小津安二郎
家族
1998年の春、磯崎新が招集した4人の女性建築家の設計による岐阜県営住宅ハイタウン北方の第1期工事が竣工した。その際、海外から参加したクリスティン・ホーリーは、日本の現代集合住宅の問題点を考えるために、どうしたらよいかを磯崎に質問し、次のような助言を得たという。小津安二郎の「東京物語」(1953)と森田芳光の「家族ゲーム」(1983)を、すなわち「伝統的な日本の住居空間と今日の住まいのパロディ」を一緒に観ればよい、と。そして少なくとも後者の映画をみた彼女は、本当に参考になったと言っている。
2年ほど前、五十嵐氏とある席で話す機会があったが、その際「建築と映画については書かないんですか?」と尋ねたら、「もうすぐでるんです」という返事が返ってきた。「じゃあすぐ読みますよ」と言いながら今まで読んでいなかった。
4部構成からなるこの本は前述の小津から始まり、リドリー・スコット、ローラ・パーマ、ヒッチコック、ゴダール、キューブリック、三谷幸喜、宮崎駿、押井守、エヴァンゲリオン、クレヨンしんちゃん、円谷プロ、ジャック・タチ、フランク・ゲーリー、ルイス・カーン・・・・・と盛りだくさん。映画についての本は色々あるが、どれも所謂クラッシックといわれるものばかり。それに対してこの本はクラッシックから押井守まで幅広い。大好きなプライアン・デ・パルマもしっかり書いてもらっている。
一つだけ不思議だったのはピエール・コーニッグのケーススタディ・ハウス#22が紹介されていなかったこと。#22についてはブログまでブログで紹介されているので参考まで。