滋賀県立美術館の後に行ったもう一つの場所は守山にある佐川美術館。
今回の目的は去年の9月にオープンした樂吉左衛門館


日経アーキテクチュアのデータによると、実施設計は竹中工務店だが、
設計草案は15代樂吉左衛門氏御本人となっている。
吉左衛門などというと、80か90才のおじいちゃんかと錯覚するが、御本人、まだ60才前。
うちの学生にとっては60も80も変わらないかもしれないが、社会的にはまだ若い。
本館の平山郁夫館と佐藤忠良館は佐川急便と竹中工務店が建物を先に作り始め、後で作家を決めたらしい。
今回は吉左衛門氏御本人が構想を練って、竹中が実施の図面を起こした。
私個人の感想ではあるが、正直言って、本館(旧館)には魅力を感じない。
しかし、今回の建物は好き。


ルイスカーンのソーク研究所ではないが発注者の理解が無ければ良い建物は出来ない。
ソーク博士が設計に当って言った言葉。
「この建物にピカソを招待したい。」
個人的な意見だが、ソーク研究所はカーンの最高傑作だと思う。



話は佐川美術館に戻って。



本館からの連絡通路を通って樂吉左衛門館へ。
中は真っ暗。しかし、この暗さが心地良い。




ピーターズントーの建物を彷彿とさせるようなストイックな建築。
現場ではこだわりのディテールが。
「先生、この壁はどうやって作るんですか?セパ穴が無いんですけど。」
「考えられるのは型枠を外から固定するか、穴を後で補修するか・・・」
後で日経のデータを読むとどうも補修らしい。
樂氏のこだわりを施工側もよく受け止めた様子である。
酸化鉄の顔料を採用したブラックコンクリート


チタンの屋根。
杉板の型枠。
その他にもエトセトラ、エトセトラ・・・・
1階のお茶室は予約が必要とのことで、今回は断念。
もう一度出直すか・・・・




人物を撮ってみた。暗さを強調するために室内はマイナス補正で撮影。