近美のモホイ・ナジ展



 構成主義の美術家・写真家、バウハウスの教師として知られるモホイ=ナジは、20世紀前半の前衛芸術運動に参加して「光と運動による造形」という創作理念を確立し、ハンガリーからウィーンへ、そしてドイツ、オランダ、イギリスを経てアメリカへと、自らも世界の都市を移動しながら、多様な造形・教育活動を行いました。
 絵画、写真、彫刻、映画、グラフィック・デザイン、舞台美術と多岐にわたる活動は、芸術と工業技術の関係性、情報伝達やコミュニケーションの問題といった、20世紀美術が直面した重要な課題を提示しています。伝統やジャンルにこだわらずに同時代の新しい素材や主題に取り組んだモホイ=ナジの仕事は日本でも早くから紹介され、1930年代の新興写真運動をはじめ、瀧口修造との交流を通じて、戦後は「実験工房」の芸術家たちに大きな影響を与えました。

前々回のパウル・クレー展に引き続きバウハウス関連の作家展。1917年のブタペスト時代から1946年の晩年までの作品約300点が3階の展示場に所狭しと並ぶ。35mmの映画(白黒・無声)「建築家会議」ではCIAMコルビジェを見ることができたり、常設会場にはモホイ=ナジが創設した「ニュー・バウハウス」(1937-38)の写真家たちの作品まで展示してある。ビデオまで見ていると結構な時間が必要。お腹一杯という感じ。結局半日程美術館で過ごす。パウル・クレーもそうだったが、この人もかなり実験的なことをやっていたようだ。この時期のヨーロッパは要チェック。
どちらでも良いことだがWikiによると

日本では彼の名前の表記が複数ある。日本においてはハンガリー語を元にした「モホリ=ナジ」(正)や「モホイ=ナジ」(誤読)、ドイツ語を元にした「モホリ=ナギ」、英語を元にした「モホリ=ナジ」のような複数の表記が併存すると思われ、今後いずれかの読み方に一本化される可能性は低いと考えられる。
ハンガリー語でlyは通常は[j]と発音されるため、ハンガリー語ではMoholyは[ˈmohoj]と発音されるとの誤解が(ハンガリー人も含め て)存在するが、実は末尾のyは母音のiの旧字体で、彼が育ったMohol(モホル)の出身者という意味のMoholiを古風に表記しただけであるので、 実際の発音は[ˈmoholi](モホリ)である。
基本的にはハンガリー人であるために見出しは「モホリ=ナジ・ラースロー」。なお彼の本名Weisz [ˈveis] の読みも「ヴァイス」とするのはドイツ語読みで、この場合はハンガリー語読みで「ヴェイス」。

確かにモホリ=ナジやモホリ=ナギのほうが検索しやすいかもしれない。これに対して近美側はホームページで

※作家名について:欧米の主流である「ラースロー(名)・モホリ=ナギ(姓)」という従来の呼称に対し、本展ではモホイ=ナジの出自であるハンガリーの姓名順と発音に従って表記しています。

と主張している。どちらでも良いことだが・・・
いつも思うことだがこの手の企画展は空いてて良い。向いの京都市美術館ではいつものフェルメール。こちらは順番の行列誘導三角コーンで