kei-design2007-10-31



今、教えている建築学校の研修バス旅行で香川県に行って来た。目的は、谷口吉生香川県東山魁夷せとうち美術館丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
谷口吉生という人を初めて知ったのは「葛西臨海水族園」だった。正直、余り好きではなかった。しかし、その後の、今回の旅行でも行った、「猪熊弦一郎現代美術館」を新建築で見たときは衝撃だった。それから、ずっと行ってみたい建築の一つだった。その後も、知り合いの美術関係の人たちの賞賛の話を聞く度に、その想いは募るばかりだった。ところが、香川県というところは、なかなか行くチャンスがない。私の場合、京都から他の土地行くということは、仕事でしかない。今まで、北海道から九州、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、オーストラリアと色々なところに行かせて貰ったが、よくよく考えてみると、プライベートで行って、記憶に残っているのは、ニューヨークだけということになる。後は、何かの仕事でとか、昔、勤めていた設計事務所の研修旅行、それから修学旅行で位しかない。自分でも、寂しくなるが、設計という仕事を選択した以上、仕方の無いことか。設計屋に休日は無い!!
一念発起。今年の正月に、16年越しの願いがかなって、行くことが出来た。当初は、丸亀だけ見て帰ってもいいという気持ちだったが、生来の貧乏性。せっかく行くのだったら、せとうち美術館も、高松に行けば香川県庁舎もあると、話はだんだん大きくなっていく。イサムノグチ庭園美術館、じゃあ、直島もとなるが、二日もつぶせる余裕もない。間をとって、せとうち、丸亀、高松ということにした。そういえば、鈴木了二『物質試行47』 金刀比羅宮プロジェクトもあったな。
前置きが長くなったが、本題の建築探訪に入ろう。学生たちの集まりで、懇意にしているN先生から、「今年のバス旅行はどこが良いですかね?」と聞かれたとき、何も考えずに、「香川県」と言ってしまった。自分が行きたいというのではなく、学生に丸亀を見せてやりたかった。あれは、写真では判らない。ちょっと、日帰りでちょっと無謀かとは思ったが、何とか企画は通った。
今日は、せとうち美術館で撮った写真。
PENTAXK10D



美術館のカフェ。2階の展示室から階段を下りて行くとトリミングされた海がサイズを変えながら目の前に広がる。せとうち美術館で一番お気に入りの空間。
階段設計の醍醐味。


  
 


 
  



 


 
  


北側の庭の効果


話は、谷口吉生に戻るが、この人、慶応の機械工学科を卒業した後、ハーヴァード大学建築学科卒業ということらしい。その後、丹下事務所を経て独立。ハーヴァードといえば、ヴァルター・グロピウスフィリップ・ジョンソンI.M.ペイもこの学校の卒業生。京都の「近美」を設計した、槇文彦さんも丹下事務所の後にこの大学で博士課程を修了しているとのこと。この学校を卒業した人に共通して言えること。品がある。筋が通っている。プロポーションが良い。お父上は、谷口吉郎
MoMA(ニューヨーク近代美術館)の後、海外プロジェクトも進行中のようだが、巨匠といわれる人の中では、作品数の少ない人である。しかし、どの建物を見ても、その完成度は高い。建築を、芸術ではなく、商品として見るなら、この人の設計したものほど商品価値の高い建築は少ないように思う。人気のSANAAとはちょっと違う。勿論、SANAAがディテールにこだわりだしたら、SANAAでなくなるのかもしれないが。
MoMAのコンペに参加した人たち。ドミニク・ペローレムコール・ハースジャン・ヌーベルそして今年の高松宮殿下記念世界文化賞、建築部門の受賞者、ジャック・ヘルツォークピエール・ド・ムーロン、エトセトラ、エトセトラ。

今日から、ブログを始めたのだが、書き方がまだ良く判らない。次回も、谷口吉生
こんなことしてて良いのだろうか。確認申請が出せない!