kei-design2007-11-04


いよいよメインデッシュの丸亀猪熊弦一郎現代美術館だ。せとうち美術館がスターターという訳ではないが、先ず、空間の魅力という点では丸亀に到底敵わない。
次に客が少ない。今回も少なかったが、前回行った時も少なかった。何故?美術館は作品を鑑賞するところである。ところがせとうち美術館の所蔵作品数は274点。いやしくも県立美術館でそれだけかと思う。それも、東山すみ夫人より寄贈されたのが270点、県が購入したのはたったの4点。美術館のホームページを見ても、殆ど東山画伯の作品を回している状態。延床面積 853.15平方メートル。坪で言うと260坪弱。勿論、収蔵庫や機械室などの管理部門も入れての話。小さい建築ほど難しい。何故なら、全てディテールだから。ましてや周りには何もない。建築は飲み込まれてしまう。勿論、敷地に目一杯建てられた建築を褒める訳ではないが、バランスというものがある。内部空間からしても、ある程度のボリュームが欲しかったのではないか。印象としては豊田市美術館の1階ホールより小さい感じだ。ギャラリーカフェ?勿論、建築の規模は予算によって決まってくる。要は、県の企画の問題か。当たり前の話だが、改めて、建築が企画、設計、施工、運営、管理のどれが欠けても成功しないとつくづく思う。
谷口先生、本当は断りたかったのではないだろうか。縁の深い東山画伯の美術館とあって断りきれなかったのではないか。しかし、何度も言うが、展示室からカフェへの階段は秀逸である。これも、新建築(2006.01)で見たものだが、この美術館の前に東京倶楽部の紹介があった。そこは、階段を上っていくと、池が広がっていた。そういえば、豊田市美術館も、茶室「童子苑」のほうからアプローチすると昇りきったところに大池があった。しばらく行くと、ヘンリームーアの「坐る女」のオブジェが。
丸亀は「マレーネ・デュマス展」 南アフリカ生まれ、アムステルダム在住